身長170cm、体重80kgの男性が2人いるとします。BMIはどちらも27.7で、 区分としては「過体重」です。一方は10年筋トレを続けており体脂肪率14%。 もう一方は長年運動から遠ざかり体脂肪率30%。 同じ数値、違う体、違う健康状態。BMIはこの2人を区別できません。 それがこの記事のすべてです。
それぞれが測っているもの
BMIは身長に対する体重を測ります。それだけです。 筋肉・脂肪・骨・水分をすべて同じものとして扱います。 だからこそ速く、無料で、再現性が高く、集団の比較に強いのです。
体脂肪率は、体重のうち脂肪組織が占める割合を測ります。 太っている人が太っているのは筋肉のせいなのか脂肪のせいなのか、 BMIにはわからないことを教えてくれます。 そしてこの区別は、健康にとって非常に重要です。
2つが最も食い違う場面
- パワー系アスリート:BMIだけでは肥満と判定されます。
- 持久系アスリート:BMIは普通体重でも、体脂肪はごくわずかです。
- 高齢者:BMIは正常に見えるのに、体脂肪率が静かに上がっています。
- BMIは正常なのに内臓脂肪が多い人(いわゆる「隠れ肥満」)。
最後のグループに注意が必要です。BMIが正常な成人のおよそ4分の1は 体脂肪率が高く、肥満に関連する代謝マーカー(血糖値や中性脂肪の上昇)を 示しています。BMIが安心させている間に、リスクが積み上がっているのです。
研究室なしで体脂肪を測る
DEXA検査は臨床的な標準ですが、費用と予約の手間がかかります。 キャリパー法は安価で、慣れた手にかかれば正確です。 体脂肪計は手軽で、絶対値がずれることはあっても、 変化を追う用途では十分に役立ちます。当サイトのBMIからの推定は もっとも精度が低い方法ですが、体重計とメジャー以外に何も要りません。
誰も話題にしない指標
腹囲は、もっと注目されるべきです。へその位置で自然なウエストを測り、 男性85cm、女性90cm(日本肥満学会の基準)と比較してください。 10秒で測れて、メジャー以外に道具は不要。 そしてBMIも体脂肪率も見落としかねない内臓脂肪を捉えます。
記録するなら2つ
どうしても2つだけ記録するなら、BMIと腹囲にしてください。 一方は身長に対して重すぎる人を拾い、もう一方は 脂肪が最も害になる場所についている人を拾います。 2つ合わせれば、片方だけでは見えないものの大部分をカバーできます。
答えをどう使うか
BMIが過体重で腹囲が基準内なら、おそらく問題はなく、 その差は筋肉です。BMIが正常で腹囲が基準を超えているなら、 表の数値は医師と話す価値のある何かを隠しています。 そして両方が同じ方向を指しているなら、 判断の根拠が1つではなく2つあるということです。
測定は月に1回まで。傾向を見て、どちらの数値も あなたの価値を毎日判定するものにしないでください。